今日はお盆の迎え盆(入り)となります。
お盆は正式には盂蘭盆会(うらばんえ)と言います。
盂蘭盆会とは、古いインドの言葉で「ウラバンナ」の音訳で
「逆さまに吊るされたような苦しみ(地獄の苦しみ)」という意味です。
この地獄の苦しみを受けている人々に対して、この世から供養すること
の功徳によって、その苦しみを救いたいという願いを込めて営まれるのが
盂蘭盆会なのです。
お盆には先祖の霊が家に帰ってくると言われており、その霊を迎え、安ら
かに成仏して欲しいという祈りと生前の御恩に対する感謝の気持ちを込め
て供養します。
今のご時世では帰省もままなりませんので、お盆と言ってもなかなかお墓に
も行けないかもしれません。
が、お墓参りをした時の作法として覚えておいて欲しいことがあります。
それは「お墓参りの帰りは振り返らない」です。
これは故人の魂と生きている私達がお互いに未練を持たないための昔から伝
わる知恵なのです。
「大切なのは動作ではなく振り返らない心」です。
16日には送り盆(送り火)となります。
このような時にお墓に霊を送りにきた家族が何度もお墓を振り返っていたら
故人の魂にも切なことなのです。
家族が懐かしがったり、寂しがったりしていたら、故人も一度は絶った家族
(現世)への未練が甦ってしまい、成仏できなくなり、家について帰ってし
まうかもしれません。
それでは故人の魂は未浄化霊となり苦しいだけです。
なのでお墓参りの後は振り返ってはならないのです。
現世にいる私たちが、このお盆はこれにておしまいとけじめをつければ、現
世に未練を残しがちな故人の魂もその背中を視て
「あ、これであの世に還らなければ、会いにきてくれてありがとう」と納得
できるのです。
ですから何度もお墓を振り返り「あ、また会いたいなぁ~寂しいなぁ~」な
どと引きずってはいけません。
誤解しないで欲しいのは、ここで言う「振り返らない」は心の姿勢の問題で
物理的に自分より後ろを歩く人の方を向いたりする行為を示すものではあり
ませんからね(^^;
要するに、いつまでもこの世の人たちがくよくよと生きていたら故人の魂は
成仏できませんよということです。
これは心が冷たいのわけでも薄情なわけでもありません。
これが輪廻転生を繰り返す人間の生き方なのです。
どうでしょうか、ご理解いただけましたでしょうか?
では今日も生かしていただけていることに心から感謝します。
本日もご訪問くださり誠にありがとうございました。