kisekisupport’s diary

様々な経験と感動を記していきます

旅の話(恐山編)

私は二十歳そこそこの頃に、会社の先輩に誘われて男子三人で車で東北一周

の旅に行きました。

一週間かけて東北各地の名所を巡ったのですが、この記事では青森県下北半

島の「恐山」でのことを記していきます。

 

この頃はバブル期でもあり、私は若さも手伝い仕事も頑張ってはいましたが

稼いだお金は、ほぼ趣味の旅か飲食代に消えていました。

そんな時期ですから心身ともに元気で、ましてやスピリチュアルなどとは縁

が遠く、逆に現実や物質しか信じないという人間だったと思います。

 

では旅の話に入っていきますが、当時会社からは述べ10日間の夏休みが付

与されていましたので、その五日間を使って誘われた東北巡りに出かけたの

です。

この旅は車で東北を山形~秋田~青森~岩手~宮城~福島の順で巡り、観光

や宿泊は行きあたりばったりのものにしようという自由な旅になりました。

そして順不動になりますが旅の二日目の午後に訪れたのが「霊山・恐山」

す。

この日は台風が接近しつつあるということで、午後から天気は下り坂になり

道中も徐々に雲行きが怪しい日でした。

私の「恐山」の知識は死んだら最初に行く所ってくらいでしかありません。

「恐山」に向かう道中、街中から峠道のような山の中のカーブの続く上りを

車を走らせていると小雨が降りだし、車窓からの風景も「恐山」の名にふさ

わしい雰囲気をかもしだしてきました。

実は東北一周旅に出る前にバスガイドをしていた彼女(後の妻)から、もし

「恐山」に行くのなら怖い場所だから、歩いて付いた靴の土などは絶対に持

ち帰らないようにしてねと言われていたのです。

当時の私は怖い物といえば昆虫のムカデくらいでしたので「ハイハイ」と軽

くしか受け止めていませんでした。

そして車は駐車場へと付き小雨降る中を見学に歩き出すと最初に鳥居があり

ました。

そして、その鳥居をくぐった瞬間からです。私の体調に異変が生じだしまし

た。

ガンガンと殴られているような頭痛がしだし、歩く足が重くて、やっと歩い

ているような状態になってしまったのです。

当時の私にはその原因など知る由もなく、とにかく早く見学を済ませて車に

戻りたいという思いしかありませんでした。

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 そして何とか歩みを進めると、そこらじゅうに積み上げられた石の山が

点在し風車が多くありました。

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これが死者への思いであるとか意味は全く分からずに不気味だなぁ~としか

思わずにいました。

河原に石を積み上げ供え物をして声を上げて泣くと先祖の声を聞ける

この時の私は正直、霊山の風景や意味などはどうでもよくて、とにかく一刻

も早く見学を済ませ、この場を離れたいという一心でした。

そして見学の後半で「恐山に行けば死者に会える(イタコの口寄せ)」の様

子を横目で見ながら「そんなわけないだろ!」と半ば馬鹿にしながら重い足

取りで通り過ぎ、右目では恐山温泉(当時プレハブのような建物)に入る裸

の女性などを見ながら、ようやく見学を終えました。

 

そして来た時に通った鳥居をくぐりぬけ、駐車場に着く頃には何と不思議な

ことに頭痛も足の重さも嘘のようになくなり普通の体に戻っていました。

そしてその時に彼女に強く言われていた「靴に付いた土は持って帰ってはい

けない」の言葉を想い出し、入念に靴やズボンをたたき土を落としました。

 

この体験は今の私には全て(体調の異変)の意味が分かるのですが、当時の

私には不気味で怖い観光地にしか思えませんでした。

 

この記事を読んで下さっている方々には「恐山」に行った事がない人が多く

いらっしゃると思いますが、一度行ってみれば「死者(魂)が必ず寄る所」

の言い伝えの霊山の意味がわかると思います。

ただし帰りには必ず霊山の土は全て落としてくださいね"(-""-)"

 

では今日も生かしていただけていることに心から感謝します。

本日もご訪問くださり誠にありがとうございました。

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